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放射線、放射能、放射性物質

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放射線、放射能、放射性物質

下図は放射線、放射能、放射性物質について懐中電灯と対比して説明したものです。懐中電灯本体に相当するのが「放射性物質」、乾電池の本数のなどで決まる懐中電灯の光を発する能力に相当するのが「放射能」、懐中電灯が発する光に相当するのが「放射線」ということです。

「原子力・エネルギー図面集」(電気事業連合会)を改編

放射線

原子の核分裂反応や自然崩壊などの過程で放出される高エネルギーの粒子または電磁波が放射線です。
アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線などがあります。

放射能

物質が放射線を出す能力のことです。放射能の強さはベクレルで表しますが、これは放射性物質が1秒間に崩壊する原子の個数です。

放射性物質

放射能を持つ物質の総称です。天然に存在するウラン鉱石から人工的につくり出したウラン燃料、核分裂によって生じた物質などがあります。

放射線(radiation)の種類

放射線の種類と透過力
γ線放射線量を1/100にするには、鉛は厚さ約5cm、鉄は厚さ約12cmが必要
中性子線量を1/100にするには、コンクリートは厚さ約65cmが必要
※中性子線は鉛などの金属では止められません。水やコンクリートが
含む水素原子が遮へいします。

<放射線防護服について>

防護服の放射線に対する遮へい効果が期待できるのは、
図に示している通りアルファ線のみです。
防護服は放射性物質が体に付着したり、吸引したり
するするのを防ぐためのものです。特に吸引による
体内被曝の防止に効果があるとされています。

放射能、放射線の単位――ベクレル(Bq)、グレイ(Gy)、シーベルト(Sv)

ベクレル(Bq)

放射性物質が放射線を出す能力を表す単位で、1秒間に崩壊する原子の個数を示しています。この値は測定対象となる放射性物質の量や測定する面積によって異なりますので、1gや1kgといった単位質量当りの放射能の強さを表す質量放射能(Bq/g、Bq/kg)や単位面積当りの放射能(Bq/㎠、Bq/㎡)が実際には使われます。下表は主な放射性物質の質量放射能です(表中の10^15とは10の15乗の意味)。
一般的に半減期が短いほど放射性物質は強い放射能を持ち、強い放射線を出します。ヨウ素131などの汚染主要三物質が分裂前の原子であるウラン235と比べると桁違いに大きな放射線を出すことが分かります。

核種名 半減期 Bq/g・second 備考
ヨウ素131 8.02日 4.60×10^15
(4600兆ベクレル)
核分裂による放射能汚染の主要三物質。飛散しやすく、水溶性であるため人体に摂取されやすい。セシウム137は健康への影響が最も大きい放射性同位体の1つでチェルノブイリ地区の主な汚染源となっている。
セシウム134 2.06年 4.79×10^13
(47兆9000億ベクレル)
セシウム137 30.1年 3.21×10^12
(3兆2100億ベクレル)
ウラン235 7.04×10^8年 8.00×10^4
(8万ベクレル)
原発・原爆の核分裂物質
ウラン238 4.50×10^9年 1.24×10^4
(1万2400ベクレル)
ウラン235と併せて核燃料となる
プルトニウム239 2.41×10^4年 2.30×10^9
(23億ベクレル)
プルトニウム型原爆の材料

グレイ(Gy)/吸収線量

物質や人体の組織に放射線のエネルギーがどのくらい吸収されたのかを表す単位で、吸収線量といいます。
1Gy =1J/kg(ジュール/キログラム)。
1グレイは物質1kgあたりに1ジュール(エネルギー量を表す単位)のエネルギーを吸収したということを意味しています。エネルギーを表す単位として広く一般に使われているものにカロリー(cal)がありますが、1ジュールは約0.24カロリーであり、標準大気圧(1気圧)で20℃の水1グラムを約0.24℃上昇させるエネルギーに相当します。
太陽などの光と放射線では当たったときの起こる反応が異なります。放射線は電離という現象を起こすことから「電離放射線」とも呼ばれますが、光ではそのような現象はほとんど起こりません。放射線による電離は原子や分子の構造中にある電子をはじき飛ばしてイオン化させてしまうため、人に当たった場合は人体を構成する有機物の分子構造を変化させたり壊してしまいます。放射線が電離という現象を起こすことが、結果的に放射線の生物影響につながります。
(出典:排出放射性物質影響調査 )

シーベルト(Sv)

放射線の人体への影響を考える上で、臓器の単位質量あたりの吸収エネルギー量である上記の吸収線量(グレイGy)は重要な指標です。しかし、放射線の種類や放射線のエネルギーが異なると同じ吸収線量であっても人体に与える影響は異なります。植物も種類によっても被爆による影響は異なります。これら人体に与える影響を勘案して考えられた放射線量の単位がシーベルト(Sv)です。シーベルトで表される線量には等価線量と実効線量があります。
等価線量
等価線量は人体の各臓器の被曝線量を表します。放射線防護の観点から人体組織である皮膚、眼などの線量限度を定めるなどの線量管理に用いられます。等価線量は次の式で算出します。

特定臓器の等価線量 (Sv) = 当該臓器の平均吸収線量 (Gy) × 放射線加重係数

放射線加重計数は放射線の種類によって人体に与える影響が異なることを勘案してつくられた次の計数です。

放射線の種類 エネルギー(E)範囲 放射線
加重係数
光子 (電磁波、X線、ガンマ線など)  全エネルギー 1
軽粒子(電子、ミュー粒子など) 全エネルギー 1
中性子 E<10keV 5
10keV<E<100keV 10
100keV<E<2MeV 20
2MeV<E<20Mev 10
20Mev<E 5
陽子 反跳陽子を除く,2Mev<E 5
α粒子、核分裂片、重原子核 20
国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告

実効線量
実効線量とは、放射線被曝による個人の確率的影響(がん、遺伝的影響)のリスクの程度を表します。各臓器の受けた放射線の等価線量にその臓器固有の係数(組織加重計数)を掛けた値の合計です。
上記の等価線量が各組織・臓器の局所的な被曝線量を表すための線量を表しているのに対して、実効線量は被曝の形態に関わらず個人全体の生物学的リスクの尺度となる線量です。実効線量は

実効線量 = (臓器1の等価線量 × 臓器1の組織加重係数)+(臓器2の等価線量 × 臓器2の組織加重係数)+ ・・・

組織加重計数は臓器によって放射線被ばくの影響が異なることを考慮して作成された計数ですが、次の表に見る通り時代によって見直されてきています。

組織・臓器 組織加重係数
ICRP103
(2007
年)
ICRP60
(1990
年)
ICRP26
(1977
年)
生殖腺 0.08 0.2 0.25
赤色骨髄 0.12 0.12 0.12
0.12 0.12 0.12
結腸 0.12 0.12 項目なし
0.12 0.12 項目なし
乳房 0.12 0.05 0.15
甲状腺 0.04 0.05 0.03
肝臓 0.04 0.05 項目なし
食道 0.04 0.05 項目なし
膀胱 0.04 0.05 項目なし
骨表面 0.01 0.01 0.03
皮膚 0.01 0.01 項目なし
唾液腺 0.01 項目なし 項目なし
0.01 項目なし 項目なし
残りの組織・臓器 0.12 0.05 0.3
係数合計 1 1
国際放射線防護委員会(ICRP)

 

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