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ウラン燃料について

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ウラン鉱石、日本は100%海外依存

ウラン資源は海水中にも含まれていますが、資源としては次ような種類の鉱石の中に含まれているウランを使用しています。

ウラン鉱石の種類

閃ウラン鉱 (uraninite)、コフィン石 (coffinite)、デービド鉱 (davidite)、カルノー石 (carnotite)、燐灰ウラン石 (autunite)、人形石 (ningyoite)、フランセビル石 (francevillite)、ツヤムン石 (tyuyamunite)、ブランネル石 (brannerite) etc.
日本では岡山県・鳥取県の人形峠のウラン鉱床が有名ですが、資源量がきわめて少ないため開発されず、全量海外からの輸入に依存しています。

世界のウラン産出国(2015年)

  産出量
(tU)
ウラン採掘金額
(US$)
1 カザフスタン 23,800 285,600
2 カナダ 13,325 357,500
3 オーストラリア 5672 1,174,000
4 ニジェール 4116 325,000
5 ロシア 3055 216,500
6 ナンビア 2993 248,200
7 ウズベキスタン 2385 59,400
8 中国 1616 120,000
9 米国 1256 207,400
10 ウクライナ 1200 84,800
11 南アフリカ 393 175,300
12 インド 385 Not available
13 チェコ 155 1300
14 ルーマニア 77 3100
15 パキスタン 45 Not available
16 ブラジル 42 155,100
17 その他 2 277,500
18 マラウイ 0 8200
  60,516 3,698,900

tU:金属重量(ウランが金属であるときの重量)
ウラン採掘金額:ウラン1Kg当り130US$で換算
出典:WORLD NUCEAR ASSOCIATION

不安定なウラン価格

出典:九州電力「燃料費」P33(平成24年12月12日)
※ウラン精鉱:イエローケーキとも呼ばれるもので、ウラン鉱石を硫酸で溶解するなど化学処理を施し、
ウランが浸出した溶液を脱水して作成します(写真下)。

上記の九州電力の資料によるとウランの価格は不安定なことが分かります。2007年6月にスポット価格で2003年水準の約11倍、長期契約価格でも約8倍を記録したそうです。
ウラン原料の価格が不安定な理由はグラフ中に記載されている通りで、特定の鉱山の出水事故や操業停止がストレートに価格変動に反映しています。これはウラン原料の市場が寡占状態にあるためで、原料の調達先の多様化が容易でないことを意味します。日本は100%海外に依存しているため金融危機などによる為替リスクも石油と同じようにあります。
次は直近までのウラン価格の推移です。ここ数年比較的比較的安定しているようですが、それでも1990年代の3倍程度の価格です。中国やインドなどの原子力新興国が計画通り、多数の原発開発を進めるとウラン需要の増加が予想されています。

出典:世界経済のネタ帳

ウラン燃料の加工工程

工 程 概 要 取得価格
構成比
 精 鉱 鉱山から採掘された鉱石を純度の高いウラン精鉱に精錬する(イエローケーキ)。
精錬工場は日本にはなく、100%海外依存。
 約3割
 転 換 固体(粉末)の精鉱をガス状のUF6(六フッ化ウラン)へ転換 。
精錬工場は日本にはなく、100%海外依存。
  約3割
 濃  核分裂をしやすいウラン235の割合を天然の0.7%から3~5%まで高め、濃縮UF6を製造  約1割
 成型加工 濃縮UF6を粉末状態に戻し、燃料集合体を製造  約3割

精鉱工程

精鉱工程を行う世界の粗製錬工場は、ウラン鉱石の輸送コストなどから、ほとんどが鉱山に併設されており、日本に工場はありません。上記の取得価格構成比は日本のウラン燃料取得価格に各工程が占める費用の割合で、精鉱工程が約3割を占めていることを示しています。
なお、2011年段階でウラン原料の世界の生産量は需要を満たしておらず、不足分はロシア解体核兵器、民間の在庫が補完している状況で、2026年には需要が供給を上回るとされています。この点もウラン価格の大きな変動要因になる可能性があります。

転換工程

転換工場も日本にはありませんので、精鉱工程と併せると取得価格の6割が海外依存になります。ウラン燃料に限ってみれば「エネルギー安保」にはほど遠い状況であり、原発に依存しない体制づくり必要と言えます。
世界の主な転換工場は下記の通りです。フランスのアレバ社は福島原発事故で広く知られるようになりました。

転換事業会社 生産能力
(tU/年) 
Areva (フランス)  14,000
ConverDyn (米国)  15,000
Cameco (カナダ)  12,500
Rosatom (ロシア)  25,000

転換工程ではウランをフッ素と反応させてガス状のUF6(六フッ化ウラン)を生成します。これを48Yシリンダーなどの輸送容器に封入して次工程の濃縮工場に出荷します。船舶輸送と陸送について以前から安全性について問題視されています。

濃縮工程

転換工場で転換された純度を高めたガス状のウランを、濃縮工場に送り、ガス拡散法または遠心分離法でウラン238に対するウラン235の比率(濃縮度)を核分裂の連鎖反応に適している3~5%程度に高めます。この過程が濃縮です。日本では六ヶ所村に濃縮工場があります。
なお、ウラン235の濃度が天然ウランより高いものを「濃縮ウラン」、低いものを「劣化ウラン」と呼びます。

主な濃縮事業会社 濃縮方法 生産能力
(tSWU)
USEC(米国) ガス拡散法 約11,300
EURODIF(AREVA) (フランス) ガス拡散法 約10,800
URENCO (英国、ドイツ、オランダ) 遠心分離法 約12,800
TENEX(ROSATOM) (ロシア) 遠心分離法 約28,600
日本原燃(六ケ所村、日本) 遠心分離法 約1,050
中国核工業集団公司(中国) 遠心分離法 約1,300
※SWU(Separative Work Unit):一定量のウラン235を得るのに必要な分離作業量

成型加工工程

濃縮したUF6(六フッ化ウラン)を化学処理して二酸化ウランの粉末を作成します。それを直径1センチ、高さ1センチの円柱形のセラミック状に加工してウラン燃料ペレットをつくります。燃料ペレット1個で、一般家庭で使う電気の約8~9ヶ月分(2,500kWh)の発電能力があります。

燃料ペレット(模型)

●一粒に約9gのウラン235、核分裂するのはその数%
●一粒で一般家庭8~9か月分の電気を発電
●一粒で60兆ベクレルの放射性物質

燃料ペレット約350個を詰めて密封し燃料棒にします。燃料棒を正方形に束ねた物を燃料集合体と呼びます。
たとえば大飯原発では原子炉1基に1,630万個の燃料ペレットをが入ります。

出典:関西電力
 主な成型加工事業会社 所在国 
三菱原子燃料  日本
原子燃料工業  日本
グローバル・ニュークリア
・フュエル・ジャパン(GNF-J)
 日本
AREVA NP  フランス・米国・
ドイツ、ベルギー
GNF-A  米国
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