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ウラン燃料の再処理工程

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核燃料サイクル

下記は一般的なウラン燃料サイクルの工程です。どのような処理施設が必要なのか、ウラン燃料はどのように変遷を経て原発で使用されるのかをまとめています。

製錬工場

ウラン鉱石を砕き、不純物を取り除いて、輸送しやすい粉末状のイエローケーキ(ウラン精鉱)を製造する施設。99%以上が核分裂しにくいウラン238のため放射線は少ないとされ、ドラム缶に詰めて輸送します。

転換工場

イエローケーキを処理しやすい六フッ化ウランに転換する施設。六フッ化ウランは常温では固体であるため48Yシリンダーと呼ばれる専用の輸送用容器に詰めて、次工程の濃縮工場に輸送します。
日本国内に転換工場はないとされ、カナダなどから輸入している。ただし、日本がイエローケーキを輸入していることなどから、各原発内で密かに存在するのではないかとの疑念もあるようです。

ウラン濃縮工場

六フッ化ウランをガス状にし、0.7%程度のウラン235(原発の燃料)を遠心分離などの方法により、3%程度まで濃縮する施設。
1992年3月、日本原燃(株)が青森県六ケ所村で商業用ウラン濃縮工場の操業開始しましたが、生産量が少なく、この間、米国やフランスからの輸入に依存(福島原発以降の状況は不明)。日本原燃では2020年ごろをめどに原発10数基分の生産量を確保する予定とのことです。

再転換工場

濃縮した六フッ化ウランからウラン燃料となる粉末状の酸化ウラン(二酸化ウラン)を製造する施設。粉末の酸化ウランをドラム缶に詰め、次工程のウラン燃料加工工場に輸送します。
国内では、三菱原子力燃料(株)と原子燃料工業(株)の工場が稼働(東海村)。
1999年、茨城県のJOC(住友金属鉱山子会社)東海工場で臨界事故。大量の中性子線を放出し、従業員2名が被爆により死亡、周辺住民も強制退去もしくは屋内退避。JCOは廃業。

ウラン燃料加工工場

粉末状のウラン(二酸化ウラン)を高温で焼き固めてペレットをつくり、ペレットを被覆管という金属の管に詰め、それらを束にし、燃料集合体に組み立てます。日本では三菱原子燃料(株)、(株)グローバル・ニュクリア・フュエル・ジャパンおよび原子燃料工業(株)の工場が稼働しています。

原子力発電所

ウラン燃料集合体を投入して発電。使用済燃料は発熱と放射線量が高いため15年冷却した後、次工程の再処理工場に送られる。冷却は原発内の燃料プールもしくは再処理工場内の冷却プールを使用。

再処理工場

ウラン燃料を原発で使用することにより燃料集合体内に新たに核分裂生成物とプルトニウムが生成される。再処理工場は残ったウランと核分裂生成物、プルトニウムを分離するための施設。
分離されたウランは転換工場に送り、ウラン燃料として再利用。プルトニウムはMOX燃料加工工場に送り、プルトニウム燃料として再利用。核分裂生成物は高レベル放射性廃棄物管理施設で保管。青森県六ケ所村に建設中ですが20年以上完成予定が遅れています。

MOX燃料工場(プルサーマル)

原発内で新たに生成されるプルトニウムを濃縮してプルトニウム燃料をつくり、リサイクル燃料として既存の原発で再利用。 プルトニウム燃料の再利用はウラン燃料より倍程度の長い冷却期間が必要とされる。
ただしプルトニウム燃料の再利用の限界は1~2回程度、発熱と放射線量が再利用可能になるま冷却保存する期間が15年程度、さらに再利用可能な量を確保するための蓄積期間が必要であり、MOX燃料サイクル(プルサーマル)は、稼働前からコスト的に完全に破綻していると言われている。再利用可能という大義名分で原発稼働を継続させるための政治的色彩の濃い施設。
青森県六ケ所村に建設中です。

高レベル放射性廃棄物処理施設

レベル廃棄物はガラス固化体に成形し、冷却のために30〜50年間の貯蔵を行った後、地下深い地層中に処分することを、日本の基本的な方針としています。貯蔵される間に、ガラス固化体の放射能は減衰し、発熱量も少なくなります。30〜50年後には、当初の発熱量の約3分の1から5分の1に減少します。
現在、ガラス固化体は六ヶ所村の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(日本原燃)で冷却のため一時貯蔵されています。

ウラン燃料の再処理工程

出典: 日本原燃「再処理工場の全体工程」

概 容

全国の原子力発電所で使われた燃料は、頑丈な使用済燃料輸送容器(キャスク)に入れて再処理工場に運ばれてきます。使用済燃料受入れ・貯蔵建屋内の輸送容器管理建屋で一時保管した後、貯蔵プールに移します。十分に放射能が弱まった後、約3~4センチの長さに細かくせん断し、燃料の部分を硝酸で溶かした後、ウラン、プルトニウム、核分裂生成物とに分離します。さらにウラン溶液とプルトニウム溶液を精製、脱硝してウラン酸化物とウラン・プルトニウム混合酸化物の2種類の製品を作ります。

再処理工程で生じる核分裂生成物を含む廃液は強い放射能を帯びているため、高レベル放射性廃棄物と呼ばれます。この廃液はガラス原料と混ぜ合わせて溶融し、ステンレス製容器(キャニスター)に流し込み、冷やして固めます。

受入・貯蔵

原子力発電所から運ばれてきた使用済燃料は、使用済燃料輸送容器(キャスク)から取り出され、3基の燃料貯蔵プール(BWR専用、PWR専用、BWR/PWR共用)で冷却・貯蔵されます。(原子力発電所のプールでの冷却・貯蔵と合わせて4年以上)冷却・貯蔵により放射能の量は数百分の1に減衰します。冷却期間を終えた使用済燃料は、次のせん断工程に移送されます。

キャスクの輸送

せん断・溶解

せん断・溶解工程では、せん断機で使用済燃料を細かく切断した後、硝酸を入れた溶解槽で燃料部分を溶かし、燃料部分と被覆管部分とを分別します。燃料を溶かした硝酸溶液は、清澄機で不溶解残渣(燃料せん断片を溶解槽で溶解した際に溶解せずに残る粒子状のもの)を除去した後、分離工程へ送ります。なお、溶け残った被覆管などの金属片は、固体廃棄物として処理します。

分 離

分離工程では、パルスカラムという装置で、硝酸溶液を溶媒といわれる油性の溶液と接触させ、ウラン・プルトニウムと核分裂生成物を分離します。さらに、化学的性質の違いを利用してこのウランとプルトニウムも分離し、精製工程へ送ります。

精 製

精製工程では、パルスカラムやミキサセトラという装置を用い、ウラン溶液及びプルトニウム溶液中に含まれている微量の核分裂生成物をさらに取り除いて純度を高めた後、脱硝工程へ送ります。

脱硝・製品貯蔵

脱硝工程では、脱硝塔を用いて、精製されたウラン溶液とウラン・プルトニウム混合溶液から硝酸を蒸発及び熱分解させて、ウラン酸化物粉末とウラン・プルトニウム混合酸化物粉末(MOX粉末)にします。それぞれの粉末は、燃料加工施設等に出荷されるまでの期間貯蔵しま

高レベル廃液ガラス固化

再処理工程で生じる核分裂生成物を高レベル放射性廃棄物といいます。これらは、溶融炉の中で溶かしたガラスと混ぜ合わせ、キャニスターに入れ冷やし固めます(ガラス固化体)

キャニスター(左)と空冷式保管区域
キャニスターを縦に9本配列して保管。キャニスタ内の固化ガラスは製造当初、表面温度が200度を超えるため地層処分の前工程として30~50年の冷却が必要とされている。

核燃料の再処理は100%海外依存――六ケ所村再処理工場の稼働開始時期は度重なる延期で不透明

日本では実験炉以外で使用済み燃料からプルトニウムを取り出し再び燃料を作る再処理や加工の体制が整っていません。
そのためフランスや英国に依存しているのが現状です。

●フランス核燃料公社(コジェマ社)/ラ・アーグ再処理工場(ノルマンディー)
UP2-800(800トンU/年)とUP3(1,000トンU/年)の二つのラインが稼動中である。
●英国核燃料会社(BNFL)/ソープ再処理工場(セラフィールド)
1994年から操業を開始したソープ工場は1,200トンU/年の処理能力を持つ。

再処理工場では使用済み燃料を処理し、そこからプルトニウムを精製しプルトニウム燃料をつくります。
プルトニウム燃料と製造過程で分離された核廃棄物は依頼先の英国やフランスから日本に送り返されます。
2013年にはフランスからプルトニウムが何十トンも日本に返却されました。フランスから返還されたガラス固化体は六ケ所村の日本原燃・高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに保管されています。
英国では処理施設の周辺にガンが増えていることや、日本のために処理をすることの国内世論の批判から縮小する方向にあります。またプルトニウムの輸送中の安全上の問題も懸念されています。

六ケ所村再処理工場は海外依存の脱却を目指して計画、着工されました。しかし着工から20年以上経過していますが、莫大な資金をつぎ込んでも未だ稼働の見通しすら立っていません。たとえ稼働したとしても、六ケ所村再処理工場だけでは日本全国の原発に保管されている使用済み核燃料の再処理には不十分だと言われています。

六ケ所村再処理工場建設の経緯

日本原燃 青森県六ケ所村再処理工場
1993年 建設着工、建設費7600億円、1997年完成予定
1996年 建設費1兆8800億円に修正
1999年 建設費2兆1400億円に修正
2003年 再処理の総費用11兆6500億円と発表
●建設費 3兆3700億円
●運転・保守費 6兆800億円
●工場解体・廃棄物処理費 2兆2000億円
 2010年 完成予定を2年延期
MOX燃料工場の建設着工
 2013年 完成予定を2014年に延期
 2014年 完成予定を2016年に延期
 2015年 完成予定を2018年に延期(過去20回以上延期)
 2016年 総事業費を12兆6000億円に修正
 2017年 総事業費を13兆9000億円に修正
MOX燃料工場の建設費を1.2兆円から2.3兆円に修正

 

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